幻水ニーベルング・第四話
 

文字色は…

ほぼオペラ原作通り
原作から逸れている
銀丸のツッコミ

となっております。

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 今回は原作に沿ってサクサク進めましょう!!(だってこのシーン好きじゃないんだもの……イメージにも合わないし;)
 ジョウイはルカの姿のままユーナクリフを連れてライン川を再び上り、ギービヒの館の岸辺につけました。そこの岩陰に隠れていた本物のルカと入れ替わると、ジョウイは先に館へと戻りました。
 ユーナクリフがいぶかしみながらギービヒの館に入る頃には、ルカの婚礼を聞きつけて、ギービヒ家の家来達が続々と集まってきました。
 奥からジョウイとジルが寄り添って出てきます。

ルカ:「ふははははははは!!!!よくやった義弟よ。よし、二組の婚礼を上げるぞ!」

 ユーナクリフは愕然としました。

ユーナクリフ:「どういうことなんだ、ジョウイ!?その……女性は……」
ジョウイ:「この人はジル。僕の花嫁になるんだ、君とルカ様のように」
ユーナクリフ:「僕が……この人と結婚!?何言ってるんだよジョウイ!!」

 思わずジョウイの方に一歩踏み出したユーナクリフは、彼の手に輝いている紋章を見てはっとしました。そしてようやく彼の狙いに気付いたのです。

ユーナクリフ:「その紋章は―――そういうことだったのか。君は初めからそのつもりで僕からその紋章を……!!」
ジョウイ:「紋章……?なんのことだ?」

 どうやらジョウイの記憶は妙なところで混乱しているようです。

ルカ:「この紋章のことを知っているような口ぶりだな」
ユーナクリフ:「だってそれはジョウイが僕にくれた……」
ジョウイ:「何を言っているんだ?この紋章は森の竜を倒したときに手に入れたんだ、僕は君の事なんてつい先程まで知らなかったのに」

 この言葉にユーナクリフはかっとなって叫びました。

ユーナクリフ:「ふっ……ざけんな!!僕を知らないだって……!僕を目覚めさせ僕と結婚したのは、ジョウイ、君だったじゃないか!」

 家来達はざわめきました。それもそのはず、ジョウイはジルの夫となるはずの人間なのです。ジョウイはルカの『代理』として求婚していたのですから、ユーナクリフと関係を持っていたとしたら(なんだかイヤな言い方だ……)義兄弟の真偽の誓いは踏みにじられたことになってしまうのです。
 ルカは陰謀が実現するためにうまく滑り出したことを感じてにやりと笑いました。

ジョウイ:「僕は君に触れたことはない」
ユーナクリフ:「嘘つけ!僕に永遠の愛を誓ってくれたのにっ……」
ジョウイ:「なんの証拠があってそんなことを……」
ユーナクリフ:××××××××××でしかも×××××××のくせに!!(ジョウイの名誉のために自主規制)
ジョウイ:「ちょっ……」
ジル:「まあ……(赤面)」

 原作どおりに進めるつもりだったのに……まいいや。

ユーナクリフ:「それに×××××××だろ!それくらい知ってるんだからな!」
ジョウイ:「ななななんてコト言うんだ君はーーーーっっ」

 そうだったのか、ジョウイ……。

ジョウイ:「信じるなーっ!!」

 記憶のないジョウイはそれでも自分の潔白を信じるほかありません。
 ジョウイはルカの剣(原作では槍)の切っ先に指を当て、宣誓しました。ルカ様ひとりで二役兼ねているからやりにくいったら……。

ジョウイ:「この剣に誓って、僕は信義に背いてなどいない!」

 ユーナクリフもジョウイに張り合って剣に指を置きました。

ユーナクリフ:「ジョウイ、どうして君は……」
ジョウイ:「……………………」

 見つめ合うと途端に世界を作り上げてしまう二人です。ルカ様を除いた他の人たちは呆れてぞろぞろと城の中に戻ってしまいました。ジョウイもユーナクリフを気にしながら城に戻ってゆきます。
 残されて絶望と屈辱に打ち震えているユーナクリフに、ルカが近づきます。
 実はユーナクリフは、神々の知識を利用してジョウイに不死の魔法をかけていたのです。ルカはユーナクリフの憎しみを煽ってジョウイの弱点を訊きだそうとしました。

ユーナクリフ:「そんなぁ、そんなこと言えないよ!」
ルカ:「弱点だと!?俺様にそんなもの必要ないわ!斬って斬りまくるのみ!!ふはははははははは!!!
 

 ……素敵です、ルカ様……。
 ジョウイの運命やいかに!?

ジョウイ:「……う、なんだか悪寒がする……(汗)」
 


 

第五話に続く。