文字色は…
ほぼオペラ原作通り
原作から逸れている
銀丸のツッコミ
となっております。
さて、炎の岩山で幸せな新婚生活を送っていた二人ですが、そのままでいるわけにもいきません。なぜなら身を養わなくてはならなかったからです。 ジョウイは外の世界に出て稼いでこようと思いました。 ところがそう話すとユーナクリフは「僕も行く!!」と言い出しました。 ユーナクリフ:「こんなところでひとりで待ってるなんて冗談じゃない。君のことだからきっとどこかで妙なことに関わって、僕のことなんて忘れてしまうに決まってるんだ……」
彼はジョウイがバカがつくほど生真面目で、思い詰めてしまう人間であることをよ〜く知っていましたから、心配するのも無理のないことでした。
ジョウイ:「そうだユノ、君にこの紋章をあげるよ。これがある限り、僕と君は繋がっているんだ。僕の聖なる貞節の証として、君にこの紋章を守ってほしい」
ユーナクリフはよっぽどこの頭の固い恋人を殴ってやろうかと思いましたが、ぐっとこらえました。後から思えば、このとき殴っておけば良かったのかもしれません……。 ユーナクリフ:「とにかく、危険が多いって言うんなら、余計に僕が一緒に行ってジョウイを守るからね!」
どんなに言い聞かせてもユーナクリフは強硬です。ジョウイは仕方がないので彼が眠っている隙にこっそりと抜け出しました。
ジョウイ:「ごめんよユノ……大丈夫だろうか、泣いてなきゃいいけど」
ところは変わって、ここはギービヒ家(ギビフンク族)の館です。竜に打ち勝ち、ニーベルングの財宝を手に入れたジョウイの勇名はこの館にまで届いておりました。館にはギービヒ家のルカ(グンター)やジル(グートルーネ)の他、彼らとは同母であるアルベリヒの息子アガレス(ハーゲン)が住まっており、アガレスは紋章を狙ってジョウイを陥れるための陰謀を練っていました。
アガレス:「おーい、そこの威勢のいいのはどこへゆくのだ?」
……なんかバカ丁寧なジークフリートになりそう……。
ジョウイ:「どなたがギービヒ殿のご子息ですか?」
筋は間違っていない……ケド……(汗)ルカ様に凡庸な王様の役なんか務まるわけないよなぁ……。 アガレス:「……か、歓迎しますぞ」
広間に招かれたジョウイは友誼のために差し出す品を持たないので困惑しました(だったらこんなところに来るなよ……) ジョウイ:「私が持つのは父から授かったこの身体だけ。他には一振りの剣しか持ちません。この剣にかけて、この剣をこの身もろとも友誼の証に差し出しましょう」
ジョウイが持っているのは「かくれ頭巾」というもので、頭にかぶると望みどおりのものに変身できるのです。ジョウイはアガレスからそれを聞いて感心しました。 アガレス:「他には?」
ノロケモードに入ったジョウイは放っておいて、アガレスはユーナクリフが紋章を持っていることを突き止めてにやりと笑いました。そして何事か合図をすると、ルカの妹ジルが紅茶のカップ……ではなく、杯を手に広間に入ってきました。 ジル:「お客様に盃を。どうぞ」
めろめろです、ジョウイ君。こっ恥ずかしい台詞ですが小声だったので他人には聞こえていなかったようです。
ジョウイ:「……なんかひっかかる言い方だなぁ……」 薬の効果は強力です。ジョウイはすっかりジルの虜になってしまいました。 ジョウイ:「ルカ様……妹君のお名前は……」
女じゃないんだけどね……もう言うだけムダだね…… アガレス:「名はユーナクリフ。しかし彼女の住まいは炎に囲まれており、炎の壁を突き破るものだけが求婚できるのだ」 ユーナクリフが自分の妻(爆)であることを忘れてしまったジョウイは、それを聞いて意気込みました。 ジョウイ:「それならば私にお任せを」
そういうわけで、義兄弟の血の盟約を固めるため、誓いの儀式が行われることになりました。二つの杯にワインが満たされ、ジョウイとルカはそれぞれに自分の腕を傷つけて杯に血を滴らせました。 ジョウイ&ルカ:「義兄弟の契りに幸あれかし!」
ああッ!?ちょっと、アガレス様がワイン飲んじゃダメじゃん!!しかも毒入り!? ルカ:「ふははははははは!!!コイツは色々とうるさかったからな!!」
いつの間にそういう話になったんだ。
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